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竹製自転車の現在

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竹自転車

竹製の自転車というものがあります。といっても、自転車全てが竹製というわけではありません。

自転車は簡単に言えば、「フレーム」「駆動系(コンポーネント)」「ホイール」「タイヤ」「その他の部品」で構成されています。このうち、竹が代替できるのは事実上「フレーム」のみです。駆動系は耐久性などを考え金属であることが求められます(一部カーボン製もありますが割愛します)し、ホイールも同様です。タイヤはどうしてもゴムである必要があります。その他の部品については細かいので割愛しますが、竹の出る幕はあまりないでしょう。とすると、竹製の自転車というのもあくまで「フレーム」のみが竹製であるとまずご理解ください。

しかし、自転車の性能(走りや重さ)を決める上では、フレームは非常に重要な要素です。また、自転車にはその「見た目」というのも重要な要素になってきます。そう思えば、フレームだけが竹製といってもがっかりしないでください。

【竹製自転車の特徴】

さて、それでは竹製フレームの自転車の特徴をまずは挙げてみましょう。なおあくまで一般論ですので、個々のメーカーによって差分はあるとは思います。

まず、「見た目が独特」ということです。これは前述の通りかなり重要な要素になります。そもそも、全ての人が自転車に対して過度に性能を求めてはいません。その見た目というのも、自転車を選ぶうえでの重要な要素になります。腕時計のようなものですね。性能だけを言えばチープカシオで十分ですが、今でも機械式の時計が親しまれているのは、竹製の自転車にも通ずるものがあります。

そして乗り心地については、「悪くはない」という評価が与えられます。独特の「しなり」が振動吸収の効果を生むことは間違いありません。しかし、カーボン製のフロントフォークはもとより、サスペンションの付いた自転車には劣ります。

なお、競技利用を考えると劣ると言わざるを得ません。現在競技の場で主流なのは、軽くて成形が容易なカーボン製のフレームです。それと比べると、竹は成形性ではまず劣ります。
「軽さが武器になるのでは?」と思う人もいるかと思いますが、カーボン製のフレームは信じがたいくらい軽く、もっと言えばアルミニウム製の自転車も同様に軽く、競技という観点では竹の出る幕は全くありません。要すれば、重くて加工しずらいのです。

「サステイナブル」という観点ではどうでしょうか。製造工程における二酸化炭素排出量という観点では確かに「竹である」が故にサステイナブルであると言えます。とすると、他の材料のものよりも「サステイナブル」と言えるのは間違いありません。

しかしそもそも、自転車のフレームは重くても数キロです。それが竹製であっても、カーボン製であっても、鉄やアルミであっても実際のところ環境負荷はそれほど変わらないのではないか、というのが客観的な見解です。もちろん、竹製の自転車を乗ることで環境負荷低減の広告塔のような役割は果たせるでしょう。前述の通り見た目にもインパクトがありますしね。しかし、実際の二酸化炭素削減量、という観点ではやや疑問が残ります。スチール製の自転車では30年たっても平気で乗れるものも珍しくありません。それはそれでサステイナブルなものです。一方で、竹製の自転車は(接着剤でがんじがらめにしていると言っても)、所詮竹です。雨風への耐久性には残念ながら劣る面もあるでしょう。

価格については「それなりに高い」と言わざるを得ません。日本におけるシティサイクルの価格は上記を逸しており、1万円でお釣りがきます。また、ロードバイクも5万円前後で購入できる時代です。それと比べると、フレーム単体で数万円が最低ラインの竹製自転車は「高い」という部類に入ってしまうでしょ。

つまりは、「ちょっとお高い趣味」が竹製自転車に与えられた現在のポジションです。これは世界中どこに行ってもそこまで状況は変わらないでしょう(一部アフリカなどでは事情は異なるかもしれませんが)。しかし、悲観することはありません。前述の通り、「高級腕時計」的な位置づけで竹製自転車は徐々に市場に浸透してきています。

ということで、ここからは竹製自転車メーカーを紹介していきましょう。

【ZAMBIKES】

まずは定番(?)の「ZAMBIKES」です。竹製自転車メーカーと言えばこれです。

(同社HPより)

アフリカ南部ザンビアの竹を利用した自転車メーカー。フレーム価格は約17万円前後。カーボンフレームバイクのセカンドグレード程度でしょうか。

なお、同社HP曰く「アフリカ南部のザンビアで、現地の人々を雇用して自転車を製造・供給することで「人々の生活を改善する」ことを目的とするソーシャルベンチャー「ZAMBIKES」(ザンバイクス)。
そのZAMBIKESが現地で採れた「超肉厚」な竹を使って製造したハイクオリティな本格的スポーツ用自転車フレーム、「ZAMBIKES バンブーバイクフレーム」を日本国内で販売することで、自転車に乗る楽しさをお伝えしながら、ザンビア現地での雇用創出と生活改善を目指しています」とのことです。社会貢献もできるというのは良い観点ですね。

(同社HPより、利用している竹。日本のマダケやモウソウチクとは全く異なりますね)

【bamboo bee】

HP曰く、「At Bamboobee, our designs fuse art and function together in expertly crafted works of beauty. One of our first products is our bamboo bicycle, which is a perfect match for people who appreciate the iconic inspiration that nature provides, as well as unique design and high attention to detail. Bamboobee is a brand that incorporates timeless style into your everyday life. With products crafted to the highest quality, yet reasonably priced for all to enjoy, Bamboobee is the leader in affordable luxury nature-inspired products.」とのことです。要すれば、「オシャレである」ということです。あまりエコロジーについて言及していないのが同社のポイントです。純粋に、「かっこいいから使う」ということでしょう。

(同社HPより。同社の商品。約9万円)

実際、上の画像を見てもらうとかなり「オシャレ」です。竹製自転車の本領発揮というところでしょう。
また、同社は「Build Your Own Bamboo Bike Kit You can customize your own bamboo bike with our BIY frame kits」ということで、バラバラの状態からフレームを組み上げることも推奨しています。「フレーム」から作るということです。一般に、カーボンや金属フレームではありえません。

(同社HPより。同社から送られてくるキット)

かなり面白い試みです。

【Boo Bicycles】

このメーカー、はっきり言って竹の域を越えたオシャレ度合いです。

(同社HPより)

少し竹の利用率の少なさが気になるところですが、芸術品としては申し分ないでしょう。かなり走りも良さそうです。価格はフレームのみで約5,000ドル(60万円前後)。痺れますね。

なお、同社も「At Boo we handcraft bicycle frames using the best bamboo in the world. Why do we use bamboo? Because it has an amazing ride quality」ということで、「良いものだから使っている」意見です。実際悪くはないのでしょう。しかし、大手自転車メーカーが竹製フレームを採用しないのは、やはりカーボンなどの方が乗り心地に優れるからではないかな、と私は思っております。

【参考文献】
・ZAMBIKES公式サイト(リンク
・Bamboo公式サイト(リンク
・Boo Bicycles公式サイト(リンク

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