生態

ヤダケとメダケの見分け方:形態と生えている場所で理解しよう

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みなさんこんにちは。日々竹・笹に関する情報発信を行っているBamboo Salonです。今回は「ヤダケとメダケの見分け方」の方法についてご説明します。

はっきり言うと、別に普通に生きていく分には区別する必要はありません。別にそこに生えているのがヤダケであろうが、メダケであろうが生活を送る分には、その識別が出来なくとも(それを利用するアレコレを生業にしていない限り)全く問題はないのです。ただ、識別が出来ると世の中の解像度が上がり、少し生活が楽しめるようになります。

ところが、この二種は慣れていないと割合似ていると感じてしまうものです。プロフェッショナルな方なら、その形態だけで識別が出来るでしょう。しかしあまり熟練していない大半の人は、パッと見の外観だけでは区別は難しいです。そこで、ここでは「形態」と「生えている場所」の2種類の方法を組み合わせて識別することを推奨します。

【ヤダケの特徴】

(Wikipedia及び庭木図鑑植木ペディアより)

・本州、四国及び九州の(自然では)山野に自生します。日本以外では韓国に分布します
・稈(棹)の節が低く(ほとんどふくらまず)、節間が長いのが特徴
・葉は厚くて大きく(長さ4~30センチ、幅2~4センチ)、尾状に尖って垂れ下がります。両面ともに無毛で、表面は深い緑色で光沢があり、裏面は白っぽくなります。葉は枝先に4~7枚ずつ生じます
・棹(竿)は太さ0.5~1.5センチで、直立して最大で5m(通常2~5メートル)ほどになりますが、枝数は概して少ないです
・葉(枝)が上部にしかできず、しかも上部の節からそれぞれ1本だけ枝が出ます。これは矢に適していると言われる理由の一つです
・地下茎は広範にならず、母竹の周囲で群落を作る

要すれば、「山に生えていて、人間の身長よりも少しばかり高く、上の方まで一本でつながっており、節の間が比較的長い」というところが、他の二種との差分になるでしょう。

【メダケの特徴】

(岡山理科大学生物地球学部生物地球学科HP及び庭木図鑑植木ペディアより)

・関東以西の本州、四国及び九州に分布し、湿気を好むため、河川敷や海辺の丘陵などで群落を作ります(ここから、「カワタケ」とも呼ばれます)。民家付近に植えていたものが野生化している場合が多く、自然の豊富な場所にはあまり見られません
・ヤダケと同じく、メダケの葉は長さ5~25センチ、幅1~2センチの大形。硬くて薄く、裏表ともに毛はなく、先端は尖って垂れ下がります。また、これもヤダケと同じく節は低いです
・稈の高さは2〜8mほどとこれもヤダケと似ており、更に直径1〜3cmもほぼ同じくらい。
・ですが、節間は約15cmとヤダケとは明確に差があります。また、ヤダケと異なり上部が密に分枝し、節から3〜9本ほど出て、更に葉は枝先に3〜6枚ほどつきます。なお、上部にしか枝が付かないのはヤダケと共通の特徴なので、その分岐具合に注目する必要があります

【まとめ】

やはり大事なことは、「よく見て確認」することです。まずは形態を見て、これにより完全に識別できるのならば、「生えている場所」を参照することは不要になります。パッと見て理解することは、熟練度が低いとそれなりに難しいものです。近づいて、立ち止まって、場合によっては手に取って確認することが識別の近道であり王道でしょう。

また、それぞれ近縁種は多い(例えばラッキョウヤダケなど)ですが、そこまで行くと図鑑を手に持ち分類したほうが無難でしょう。

なお、ヤダケとメダケは「ダケ」と名がついていますが、分類学上は成長しても皮が残るため、ネザサと同じく「ササ」になります。ちなみに、メダケとよく似ているとされるササ類に「ネザサ」というものがありますが、これは高さが2メートル程度に留まることが多く、また葉が垂れさがらない(ヤダケとメダケは垂れさがる)ことから識別できるでしょう。

【参考文献】
・岡山理科大学生物地球学部生物地球学科HP
http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/monocotyledoneae/gramineae/medake/medake.htm
・庭木図鑑植木ペディア
https://www.uekipedia.jp/%E3%82%BF%E3%82%B1-%E3%82%B5%E3%82%B5%E3%81%AE%E7%A8%AE%E9%A1%9E/%E3%83%A4%E3%83%80%E3%82%B1/
https://www.uekipedia.jp/%E3%82%BF%E3%82%B1-%E3%82%B5%E3%82%B5%E3%81%AE%E7%A8%AE%E9%A1%9E/%E3%83%A1%E3%83%80%E3%82%B1/
・Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%80%E3%82%B1

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