生態

竹林駆逐の難しさ:竹は木や草よりも駆除が難しい

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みなさんこんにちは。日々竹・笹に関する情報発信を行っているBamboo Salonです。今回は「竹林駆逐」の方法についてご説明します。

【そもそもなぜ竹林を駆逐する必要があるのか】

Bamboo Salonはもちろん竹を敵視しているわけではありません。人と竹は共生するべきだと考えており、またそのように努力した結果、多大な価値が得られると考えております。

しかし植物である竹は時に跋扈し、人の生活に害を与えることもあります。人が想定していた範囲より竹が蔓延することや、あるいは竹林が鬱蒼と茂り獣害やその他被害の温床になることがその代表例です。

そうした時に、もし人が継続的に手入れをすることが叶わないとしたら、その範囲の竹を根絶やしにすることも選択肢の一つとして持っておくべきでしょう。さもなければ、手をこまねいて竹の侵略を許すことになります。そうなると人は竹に悪い感情を持ちます。これは良いことではありませんので、その対策として長い目で見れば竹を駆逐することは重要な手立てと言えるでしょう。

【竹林の駆逐・根絶は難しいのか】

しかし、ここで重要な点として竹の根絶の難易度は、その他の植物と比較して各段に難しいのです。例えば、木本(いわゆる「木」)は草本(いわゆる(草)と較べて、比較的切り倒しにくいですが、木を切り倒せば終わりです。搬出は少し厄介かもしれませんが、大森林を丸ごと伐採することはあまりないのでそこまで考慮しなくてもよいでしょう。そして、一度切り倒すと再生までにかなり長い時間がかかります。根っこが残っていたとしても、それほど早くは成長しないでしょう。森林の再生まで、少なくとも数十年は見込まれます。

逆に草本では、切り倒すというよりもむしろ刈る・抜くという作業が求められます。そしてそれは木本よりも相当簡単です。しかし根っこを残しすぎると翌年も対峙する必要が出てくるかもしれません。しかしそれでも、毎回の全伐にそこまで手間がとられることはないでしょう。

そして竹。この場合は大型の竹(モウソウチクやマダケ、ハチク)を想定します。これは中々やっかいで、まず切り倒すのも一苦労です。木よりも楽かとは思いますが、しかしノコギリ一本で立ち向かうとたちまち筋力が限界を迎えるので、チェーンソーは必須です。なお、チェーンソーを使う場合は、竹の稈の堅さにより通常の刃だと欠けてしまうため、専用のものを用いるのが無難です。また、竹は木よりも過密に生える傾向が強いので、倒した際に他の竹に引っかかることも多いです。そうしたときは、空中で更に竹を切断したり、また複数人で竹を引っ張るなどの工程も必要です。更に竹林というのは山中でもアクセスが悪い所にあるため、そこまで行くのにも一苦労。更に、中が中空であるため木本や草本よりも単位回数あたりの車などでの運搬効率が悪いです。よく、冷蔵庫の運搬は「空気を運んでいるようなもの」と運送業界では言われますが、こと林業業界においては竹の運搬に関しては同じような位置づけです。

そして最も厄介なのは、たとえ地上部(稈と枝葉)を駆逐したとしても、根っこが残るということ、そしてその根っこはともすれば竹林全体で、少なくとも数十の地上部に繋がっており、更に発生に十分な養分を蓄えていることが多い、ということです。これの意味するところは、仮にある秋に竹林の地上部を全て除去したとしても、翌春には元気に筍が芽を出し、放っておくとすくすくと育ち、太さは多少細いものの同じような竹林を形成し、そして数年経つと同じような大竹林地帯に戻ってしまっている、ということです。要すれば、全伐しても他の木本よりも効果が極めて薄い、ということです。

この根本的な対策には、根っこを根こそぎ取り去るという方法が考えられます。確かに、草本の場合はそうするべきでしょう。しかしご存じのとおり、竹の地下茎というのはなかなかどうして竹林全体にはびこっており、人力のみで除去するのは現実的ではありません。そのため、油圧ショベル(ユンボ)を起用することも想定されますが、果たして放置された竹林を整備するためにそれほどの予算が捻出できるところがどれほどあるのかは疑問です。また、山中の竹林に対しては、そこまで油圧ショベルを運搬するのにも一苦労でしょう。

【まとめ】

つまるところ、竹林の駆除については草本や木本とは違ったアプローチを採用する必要があります。生半可な知識や準備で太刀打ちしようとすると、たちまち疲労の色濃く敗退することになるでしょう。そうならないためにも、十分な知識と準備を用意する必要があります。

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