竹サロン開催記録

第17回竹サロン情報交換会

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情報交換会活動報告

第17回竹サロンを実施したのでその様子を報告します。
実施日時:2019年10 月5日(金)16時~18時開催場所:京都大学 総合研究3号館 4階 457教室参加者: 計11名 
話題提供「Bamboo Sustainable Design Project」・宮地茉莉(京都大学 大学院 地球環境学堂)京都大学大学院の人間環境設計論分野(建築系研究室)が行っているBamboo Bus Stop Projectについて紹介して頂きました。このプロジェクトは兵庫県丹波篠山市で課題となっている「放置竹林の整備」を目的にして行われ、地域おこし協力隊、農業高校の生徒、大学院生、まちづくり協議会の方々によって進められました。もともと、2016年12月に高校生からの要望で開始された企画でしたが、伝統建造物群保存地区の制約にそぐわないなどの否定的な意見もあったそうです。しかし、地域の意匠を取り入れたデザインへとシフトをしていくことで、2017年から竹を用いたバス停のリノベーションが実現されました。活動では、高校生が授業の一環で竹の伐採、割竹づくり、油抜きなどを行い、セルフビルドのバス停を完成させました。このような活動を行う際には一般的に補助金が活用されていますが、地域の人々がバス停を維持管理して、将来的に地域自らがお金を捻出することの出来るように検討していきたいとのことです。今後も地域の人々が地域の資源を活用して地域活性を行う活動が継続されることに期待をしています。

「福山市での竹に関する活動報告」・島田拓也(福山市 農林水産課)広島県福山市の里山里地再生・保全事業について紹介して頂きました。福山市では、2012年から地域に里山里地を残して行けるような地域づくりを目指す取り組みとして、支援事業が行われています。既存の事業では企業の社会貢献やボランティア団体、教育機関とのマッチング、里山里地協力隊の体制強化が行われています。このような連携を通じて、これまで「竹あかり祭り」「里山コン」「竹の伐採」などの多様な活動が行われてきました。今年の3月には「里山バンブーフェス」が開催され、竹で作るビニールハウス見学会や竹飯等、放置竹林の竹を活用した催しを通じて地域の人々が竹に触れ合う機会も設けられました。放置竹林や里山の課題は、行政のみでなくその地域に暮らす人々の協力や意見があってこそ良い地域づくりに繋がる可能性があると思います。地域の人々に里山や竹に目を向けてもらうイベントは期待できるきっかけづくりだと思いました。

「全国竹産業連合会ヤンガーフォーラム報告」・笹原千佳(京都大学大学院)時間の都合上短い発表にさせて頂きましたが、9月末に別府で開催されたヤンガーフォーラムの概要とそこであげられた課題について情報共有させていただきました。課題は主に竹の伐採業者(切子)の衰退についてですが、切子のみに着目するのではなく竹産業の流れの中における切子の位置づけに着目して議論をさせて頂きました。すぐに答えの出ない問題ではありますが、切子減少のような課題は他の資源採掘業でも起こりえている問題です。また、今後のサロンで議論をさせていただくために既存の情報を元に改めて発表させていただきたいと思います。

第17回サロンを終えて。今回は放置竹林の竹の活用について多面的に考えることの出来ました。かつて里山が形成されたものの、その管理が行き届かなくなった現在、放置された竹林から得られた竹材を地域活性化のために利用しようという動きが、新たなコミュニティの創出や放置された竹林を含める里山の現状と今後について地域の人々と考えていける機会となれば良いですね。今後、活動がどのように継続されていくのか楽しみです!文責:笹原

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