竹サロン開催記録

第16回竹サロン情報交換会

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情報交換会活動報告

第16回竹サロンを実施したのでその様子を報告します。
実施日時:2019年9 月6日(金)16時~18時開催場所:京都大学 農学部総合館 1階 S128教室参加者: 計12名 
話題提供「竹友会の歩み 〜遊びを広げる 人を繋げる〜」・東谷隆誠(京都教育大学)京都教育大学で4年間活動されている「竹友会」の活動についてご報告いただきました。京都教育大学は、キャンパス内の森林率が全国2位で、その中で竹林が3割ほどあるそうです。その中で、ごく少人数で始めたタケのモノづくり活動が、地域、児童、文化、海外の学生など、様々なものとつながり、今では地域のお祭りやイベントに大規模な出展したり、地域の神社や竹林所有者との協力関係もできてきたそうです。驚いたのは、竹を使う様々な活動が活発に行われているために、京都教育大キャンパス内の竹林はむしろ伐りすぎ状態になってしまったことと、イベント後の竹燈籠などが余ってしまった場合、炭にして打ち上げの際に使用しているとのことで、カスケード利用のすばらしい実例だと感じました。「楽しみ」から始まった竹の活動の様々な展開について紹介していただき、とても示唆的でした。
「インド東北州における竹プロジェクト」・柴田昌三(京都大学 教授)JICAによる東北インドの竹プロジェクトについて報告していただきました。前半ではプロジェクトの集会について、後半では竹産業普及等の視察の様子について紹介していただきました。インドと竹といっても、すぐにはぴんと来ない印象でしたが、在来工芸品、在来建築、近代建築、パルプなどかなり色々な竹の取り組みがあることがわかりました。そういえば、仏教の聖地に「竹林精舎」がありますね。インドと竹の結びつきはとても強いことがよくわかりました。インドは投資先としても注目を浴びていますが、竹資源大国でもあります。竹先進国日本の技術や感性がインドで活かされる未来が楽しみです。

「竹材店聞き取り調査報告」・笹原千佳(京都大学大学院)大分県別府市を中心とする大分県の竹材産業・竹加工業の現状について報告していただきました。大分県は京都と並んで竹加工業が盛んな地域ですが、そこでの竹産業の歴史と現状、展望についてとても興味深く感じました。質疑では、外資系のホテルの内装を竹で賄おうという動きが大分の竹産業の活性化に寄与しているという話題が出ました。文化の中心地京都と、温泉を核とする多くの交流人口と行政の手厚い支援を特徴とする大分の比較は、掘り下げれば面白そうな話題がたくさんありますね。

「竹の開花情報の収集結果:生き物アプリやSNSを使ってどれだけ集められた?」・小林慧人(京都大学大学院)Twitterやアプリを用いたタケ開花情報の収集の現状と見通しについて報告していただきました。竹の花はマスメディアで取り上げられることもあり、比較的市民の関心が高い話題だと思います。研究者からすれば分散的に情報を集めることができ、市民にとっては自然に興味を持つきっかけになり、様々な可能性を持つ取り組みだと感じました。

第16回サロンを終えて。今回の竹サロンには、ご報告いただいた東谷さんを始め、初参加の方に何名か来ていただきました!研究者、学生、実践者がフラットに集まり、意見交換できるこの会を続け、竹友の輪を広げていきたいと思います!

文責:峰尾

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