竹サロン開催記録

第6回竹サロン情報交換会

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情報交換会活動報告

第6回若手竹研究会を実施したのでその様子を報告します。
開催日時:2018年12月6日(水)18:00‐20:00
東京大学弥生キャンパス 農学部1号館2階 林学会議室

第6回 若手竹研究会を実施した。
参加者6名:久本、鈴木、高野、相原、小林、金道 (敬称略)

話題提供1. タケ類の生活史における開花遺伝子の発現解析」久本洋子さん(東大千葉演習林)→所感:これまで取り組んでこられたタケ類の開花遺伝子発現の研究について発表していただいた。花成と開花の違い、遺伝子発現の経路など、基礎的なところから話をしてくださったため分かりやすかった。今後解明を目指すとおっしゃる時計遺伝子の探索はとても魅力的なテーマですので、お考えの材料で試されると面白いなと思いました。

2. 「東日本におけるモウソウチクとマダケの高緯度・高標高域への分布拡大の検出と1.4-4.0℃地球温暖化環境下での潜在生育適域の予測」高野(竹中)宏平さん(長野県環境保全研究所)→所感: 主にTakano et al.(2017)で発表され大きな反響のあったプロジェクトついて紹介していただいた。今後の研究展開が楽しみです。

3. 「島根県げんこつ山におけるモウソウチク伐採後の植物種組成の推移」 
鈴木重雄(駒沢大)→所感: 地元NPOの方々と共同で取り組んでこられた経年調査の結果について発表していただいた。このような変化を追うこと自体が大変なことですので、貴重なデータだと思いました。本筋から外れますが、あまりモウソウチクが拡がっていないプロットがあることがとても興味深かったです。地元NPOの方々との長期にわたって調査を継続して行う術など、先生の調査スタイルを今後参考にさせていただきたいと思いました。

報告4. 「長野県における竹林立地の考察」相原隆貴(筑波大M2)→所感: 修論の一部を発表していただいた。長野県全域にわたりタケの分布情報を集めたことが大きな成果だと思います。県レベルでの竹林分布と立地条件の関係の評価を行った研究は、これまで限りなく少ないと思いますので、今後の追加解析や公表を楽しみにしていたいです。

5. 「ハチクの開花 in 2018」小林慧人(京大D1)→所感: 2018年9月にBaLaNETのHPに開設された開花情報のページ、また、これまでに登録されたハチクの開花情報について発表した。ハチクの開花情報を精度よく集められるよう、研究者以外に向けたマニュアル作りをどうやって作るかが今後の大事な課題という話が出た。12月末のBaLaNETで今回の話の続きをしようと思っている。

6. 「モウソウチク実生苗の成長」金道知聖(東大M2)→所感: 修論の一部を発表していただいた。普通の人では取ることのできないデータですので、とても貴重だと思いました。地下茎の拡がり方、炭素の輸送経路の結果がとても興味深かった。今回、時間の都合上話せなかったことは、また別の機会に話していただければと思います。

いずれの発表も濃い内容であり、私にとって刺激的で有意義な時間となりました。お忙しい中、お集りいただき話をしてくださった先生方、そして準備してくださった金道さんに感謝したいです。いつのもごとく予定通りの時間には終わらず、結局21時頃までになってしまったことは申し訳なかったです…。懇親会も含め、話は尽きなかったので、可能ならまた関東での開催もやっていきたいです。年度内あと1度やりますか? 笑

(文責:小林)

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