竹サロン開催記録

第3回竹サロン情報交換会

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情報交換会活動報告

第3回竹研究会を実施したのでその様子を報告します。

開催日時:2018年10月3日(水)17:00‐19:00
開催場所:京都大学 総合3号館 461教室

参加者:笹原(学舎・景観D1)、小林(慧)(農・地環・生態D1)、岩田(学舎・環境経済D1)、大澤(工・建築M1)、宮地(学舎・環境設計D3)、渡辺(雅)(工・建築B4)青塚(農・森林・環デM1)、孫(農・森林・環デD3)、渡辺先生(竹文化振興会)、峰尾(農・森林・森林人間D3)、柴田先生(京大農学教授)、小林先生(京大工学教授)

第一報告:中国華東地区モウソウチク主産地における竹加工業者の現状(孫さん)
中国の江蘇省宜興市における竹産業の動向について紹介してもらいました。
スライドによれば、宜興市は12200haもの竹林を抱える中国有数の竹材産地であるとともに、竹産業の中心地でもあるとのことでした。ちなみに、比叡山が1400haなので、比叡山10個分の竹林が市内にあるんですね。ちょっと想像できないです。笑
今回は中間報告のような感じで結果を詳し目に紹介していただきましたが、今後どのような博士論文にまとめられていくのか楽しみです!孫さん、頑張ってください!

第二報告:京都府長岡京市における竹林の管理経営の実態と今後について(青塚さん)
有名なタケノコ産地である長岡京市の竹林の管理問題について報告してもらいました。
報告を聞いてみて、やはり著名な産地だけあって管理放棄はさほど問題にはなっていないような印象を受けました。
竹材生産量とタケノコ生産量は1980年から2007年までの間で、それぞれ約2%、約5%まで低下しています。また、利用されていない竹林の面積は、(あくまで統計上の数値ですが)2万ヘクタールから12万ヘクタールへと拡大しています。そう考えると、長岡京市の竹林の状況はさすがに比較的よく管理されているのだろうな、と思いました。
これは僕自身の経験ですが、都道府県を超えると森林やそれを取りまく状況や政策が全然違う、ということはよくあるので、青塚さんにはいろいろなものを見て、面白い研究をしてもらえたらいいなと思います!

第三報告:バンブーグリーンハウスプロジェクトについて(宮地さん)
コバヒロ先生が約10年前から手掛けてこられたバンブーグリーンハウスプロジェクトや、研究室で取り組む竹のバス停プロジェクトについて報告してもらいました。
竹の新規用途開発については、研究段階を超えて実用化段階にまで行っても、なかなか普及しない・商業ベースに乗らない例がたくさんあると思います。コバヒロ先生が、バンブーグリーンハウスは「そろそろやめようかというときに新しい話が来て何とか続いてきた」とおっしゃっていましたが、10年もプロジェクトが続き、農業高校や地域おこし協力隊とつながったのはかなり明るい兆しなのではないかと思います。
また、竹のバス停はデザインがとても素敵で、これぞ建築!と感じました。
これからも工学系の方とつながりを持っていけたらいいですね!

第四報告:ニューカレドニアの竹について(小林(慧)さん)
ニューカレドニアの竹探訪記を報告してもらいました。
小林くんの竹への愛を感じましたね。笑
竹を使った工芸品や、最後に出てきた変な形の竹が興味深かったです。

第五報告:竹のアロメトリー研究の動向(笹原さん)
竹のアロメトリー研究の動向と、その意義について報告してもらいました。
竹のアロメトリー研究例は少ないということですが、整理も進んできたようなので、笹原さん+αで一本レビュー論文を書いたらいいのでは?と思いました。
また、論文レビューだけでなく実際のフィールド調査もしたい、という笹原さんの意向について、よいプロットがあると柴田先生から前向きなコメントもあり、今後が楽しみです。

全体を通じてのコメントですが、前回までは5人程度、学生オンリーで研究会をやってきましたが、今回はコバヒロさんのところの方々にも参加していただきましたし、通しで参加してくださった竹文化振興協会の渡辺先生をはじめ、柴田先生、コバヒロ先生にも参加していただき、特に渡辺先生からは有益なコメントや励ましの言葉をいただけて、大変充実した会になったと思います。今後もいろいろな形で研究会を続けていけたらいいですね。
参加者の皆さん、運営してくれた笹原さん、どうもありがとうございました!

(文責 峰尾)

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