第1回若手竹研究会を実施したのでその様子を報告します。
開催日時:2018年7月25日(水)16:00‐18:00
京都大学 本部構内 総合研究3号館 515教室にて
第1回 若手竹研究会を実施した。
参加者:相原、小林、笹原、孫、峰尾、(懇親会のみ東口)
研究発表は以下の順で実施した(35分/1人 質疑応答含)。
1. 「簡便な竹林の拡大指標の開発について」小林慧人 (京大院 森林生態学研 D1)→所感:国内の放置竹林の生態的特性を理解することで、現存する放置竹林の拡大を予測することを目的とした指標開発の研究について紹介をして頂いた。放置竹林の生育地の条件などをによっても変動する可能性はあるとも示唆されたが、拡大メカニズムが明らかとなっていない竹林の生態を明らかとしている研究は生態学的な知見のみでなく放置竹林問題対応の一助としても期待できると思った。
3. 「竹林と気候の関係+廃村竹林紀行」相原隆貴 (筑波大院 森林生態環境学研 M2)→所感:卒論で行った竹林に関する住民の意識調査、現在の研究である長野県の竹林拡大モデル、長野の廃村の放棄竹林と異なった広い視点から竹に着目をしている発表だったのでとても興味深かった。竹の生育条件として考察されている気温条件として先行研究では最低気温や寒暖差がキーであると考察されているが、まだ竹の生育及び発生トリガーとなる気温条件については未解明であるということなので、今後の研究によって知見が増えることに期待をしたいと思う。
2. 「山口県における竹バイオマス発電事業の現状と課題」峰尾恵人 (京大院 森林・人間関係学研 D3)→所感:放置竹林の資源を活用してバイオマス発電を行うという取り組みを実際に実践しようと動いている事業報告を聞くことができたので、今後の展開に期待をしたいと思った。一方で、放置竹林は栽培用の竹林ではないことから資源供給の持続可能性が保証できない点や、放置竹林から竹の搬出面のコスト問題など課題は挙げられる。放置竹林問題は世間的にも話題ではあるが、このプロジェクトの関係者が竹林を利用するインセンティブがどこから発生しているのかにも関心がある。
発表会の様子
また、18:30からはビンタン食堂にて懇親会を実施した。この研究会自体が初めての試みであったが、竹を研究している人同士で交流を持つことでお互いの視野の拡大や研究モチベーション向上に繋がるという実感を持つことが出来た。今後もこの会を継続していきたい。
(所感、文、写真:ささはら)