第8回竹サロンを実施したのでその様子を報告します。
開催日時:2019年2月19日(月)15:00‐19:00
開催場所:東京大学弥生キャンパス 農学部1号館2階林学会議室
参加者:小林(幹)(宇都宮大名誉教授)、広田(岐阜大)、小林(慧)(京大D1)、相原(筑波大M2)、金道(東大M2) 計5名
話題提供
「タケ亜科の形態、生活史の進化」
小林幹夫(宇都宮大学名誉教授、小林竹類研究房)
今回は小林幹夫先生をお招きし、大きく4つの話をしていただいた。(1)タケ類の外部形態、(2)イネ科の系統類縁、(3)多様な世界のタケ類と生活史戦略、(4)一斉開花枯死・個体群回復過程、である。これまで長年のフィールドワークを通して観察されてこられた世界各地のタケ類の標本や写真を織り交ぜながら、タケ類のもつ様々な顔が紹介された。先生だけが持っているであろう写真も複数あり、これほどに多様な形態や生活型があるのかと、思わずため息がでてしまうほどだった。時間中に質疑も適宜設けることができ、限りある時間の中で実りあるセミナーとなった。国内にいては感じられないであろう、タケ類の世界の多様な面を改めて実感し、刺激をいただく会になった。
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第8回研究会を終えて。。
漠然としたタイトルで発表をお願いしてしまったことを反省していたのですが、4時間弱もの長丁場にわたり、最初から最後まで丁寧に説明してくださったことに感謝したいと思います。
帰り際、先生は「不立文字」が大事だと仰っていました。確かに、ご本人に直接会って話をするという体験から得られることは、本や論文や図鑑を読んだり・眺めたりすることよりもはるかに多い気がしています。今後の研究会/サロンにおいても、聞きたい方の話をじっくり聞かせていただく、というスタンスを作っていきたいと思います。
最後になりますが、小林先生が執筆されており今回紹介してくだった本や雑誌(上の写真)を以下にメモしておきます。
・原色植物分類図鑑 日本のタケ亜科植物、北隆館(2017年)
http://hokuryukan-ns.co.jp/cms/books/58/
・イネ タケ マコモ 植物の世界121、朝日新聞社 (1996年)
・小林幹夫「竹の旅」(最終講義の様子や業績がまとまった冊子)
・ササ類の形態分類に関する論文3報、植物学雑誌
(文責:小林慧人)