第15回竹サロンを実施したのでその様子を報告します。
実施日時:2019年8 月2日(金)16時~18時
開催場所:京都大学 農学部総合館 1階 S130教室
参加者: 計17名
「ブラジル、パラナ州での竹とその竹を使った竹プロジェクト」新川 哲弥(ちくちく大作戦)
ブラジルで活躍されている佐々木神父の活動を紹介して頂きました。佐々木神父はパラナ州の小規模農家支援の一環として竹を植栽し活用するプロジェクトを模索中であるとのことでした。今後、竹を活用する住民の方々のコミュニティが豊かになっていくことを期待しています。また、後半では新川さんが京都を中心に行っているバンブーテントについても紹介して頂きました。イベントなどで活用されるテントに鉄ではなく竹を利用していく取り組みで、自然素材の活用や放置竹林の一助にしていければとの想いも伺うことが出来ました。ディスカッションでは、「バンブーテント用管理竹林が出来れば面白いですね。」との声も上がり盛り上がりました。
「竹のバイオマスエネルギー利用の課題と展望:山口県における事例研究より」
峰尾 恵人(京都大学大学院)
山口県における竹のバイオマスエネルギー利用の調査について発表して頂きました。竹材をバイオマスエネルギーとして利用することが出来るのはとても魅力的な一方でその難しさも課題としてあげられていました。議論では竹林管理に関する政策のあり方なども話し合われ、活性化した話し合いが出来ました。今後、この調査をどこかで報告していくことや、若手から竹林の課題を発信していくことの重要性が伺えました。
「タケ類の開花様式といくつかの調査事例の紹介」
小林 慧人(京都大学大学院)
タケ類の開花に関しての報告を発表して頂きました。開花の情報をかぎつけては全国各地へ飛んでいく小林さんのフットワークの軽さに脱帽しました。インターネットを通じて開花現象の報告を瞬時に各地で行うことの出来るシステムと先人の方々が残した記録を複合させて開花の謎へ迫ろうとする調査にはロマンも感じました。「開花=不思議なこと・不吉なこと」という世間の解釈を打破しようとする研究成果の開花も待ち遠しいです。
************第15回サロンを終えて。8月2日という暑い夏の日にも関わらず、多くの皆様が熱い気持ちで参加をしてくださり竹サロンを達成することが出来ました!本当に嬉しく思います。今回の発表では、竹のコミュニティ活用、竹の産業活用、竹の開花の話を聞くことが出来ました。「竹」という1つのモノの複数の世界を堪能することが出来るのは竹サロンの醍醐味だと思います。素敵な時間をありがとうございました!
(文責:笹原千佳)