日時:7月24日(金)18時から20時30分
場所:Zoom上
・孫鵬程(京都大学大学院農学研究科 博士課程)「モウソウチク資源に対する管理と利用の日中比較」
今年京都大学大学院の博士後期課程を修了され、学位を取った孫さんから学位論文の内容を話していただきました。日本の鹿児島県と、中国の3つの省における竹資源管理と、竹材流通に関する事例研究の結果です。
日本では人件費の高騰と安価な輸入竹材の流入、そしてプラスチック等の代替材の浸透によって竹林が放置されて久しいですが、中国ではそのような現象がまさに始まりかけているところのようです。報告ではエッセンスだけを報告していただきましたが、鹿児島での聞き取り調査の内容も、中国での流通実態も、できれば詳しく聞きたかった興味深い内容でした。
管理と流通という異なる側面について、国際比較を行った孫さんの竹研究への功績はとても大きいと思います。孫さんの研究が基礎となって、世界の竹研究が進展することを期待しています!
孫さん、学位取得おめでとうございます!今後のご活躍を心からお祈りします!
・Shitephen Wang(京都大学大学院農学研究科 博士課程)「台湾竹産業の紹介」
続いて、台湾の竹産業について留学生の王さんから報告していただきました。
特に印象的だったのが、人件費の高騰と中国・ベトナムからの安価な竹材の流入によって台湾の原竹生産は大きく落ち込んでいるということでした。竹紙生産も、原竹は輸入されているほどだそうです。また、竹の高付加価値製品への使用も試みられているそうです。このあたりの事情は、日本ととても似ていますね。
台湾は、台北市のランドマークである台北101が竹の形をしているくらい、「象徴としての竹」の存在感がある国です。また、森林面積における竹林の割合も、日本よりとても高いようです。日本、中国、台湾の竹産業は、お互いに学べるところがありそうだと感じました、もちろん、研究面でも高め合っていきたいですね!
・西山 典秀(東京大学大学院農学生命科学研究科 博士課程)「富士竹類植物園の楽しい散策」
東京大学で遺伝学的研究を進めておられる西山さんから、富士竹類植物園の散策記録をご紹介いただきました。西山さんはこの植物園の近くにお住まいということで、先週私達からお願いして、早速ご報告いただきました。西山さんのフッ軽さに敬服!
なかなかアクセスが悪い場所なのですが、たくさんの写真を見せていただき、私たちも散策しているような感覚になりました。竹文化振興協会の渡辺先生から、いくつかの逸話も教えていただきました。
竹に特化した植物園ということで、竹愛好家以外はなかなか行きにくいかも?という話もありましたが、ぜひ行ってみたいですね!
西山さんのウェブサイト:http://takeculture.starfree.jp/
奥様(作家)のinstagram: https://www.instagram.com/yuon_nimura/?hl=ja
コメント
今回は、連休中にもかかわらず、16名もの方に参加していただきました。ありがとうございます。
日中台の比較ということで、示唆に富む話が多かったかと思います。改めて、報告者の方々にお礼申し上げます。ありがとうございました!
文責:峰尾
※今回の様子の動画です。