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竹を切る道具:TPOに合わせて道具を使い分ける

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みなさんこんにちは。日々竹・笹に関する情報発信を行っているBamboo Salonです。今回は「竹を切る道具」についてご説明します。

【なぜ使い分ける必要があるのか】

はっきり言えば、竹林整備に用いる切断用具に関すれば、ノコギリ一本で出来ないことはないです。稈も切れるし、枝も落とせる。下草も刈れる。しかも安価で取り回しもいい。もしも予算などの都合で一本だけしか導入できない状況があるとすれば、多くの人はノコギリを採用するでしょう。

しかし、道具には適材適所というものがあります。所謂、TPO(Time:時間、Place:場所、Occasion:場合)です。時間や人手があるが予算が無いという状況なら簡素な道具の人海戦術で攻めるべきですし、その逆の予算はあるが人の手や時間が足りない、という状況ならば迷わずチェーンソーを大量に用意し、他の道具も然るべき本数用意するべきでしょう。

そのような状況に合わせて道具を用意するためには、そもそも道具に関する知識が必要です。今回は、その切断用具について説明します。

【どんな種類があるのか】

一般には、竹林整備用の刃物としては以下の5種類が想定されます。
・ナタ
・柄鎌(ヒツ鉈)
・ノコギリ
・レシプロソー
・チェーンソー

他にも先止め用の高所切断用カマやタケノコを掘るための専用の道具、土入れや根っこの除去のための重機、粉砕のためのチッパーなどがありますが、一般的ではないので今回は除外します。

【それぞれの刃物の解説】

  1. ナタ

まずナタです。このナタという道具は、竹そのものを切断することは出来ませんが、下草刈りやひょろっと生えたごく細い竹の切断、切り倒し後の枝葉の処理に有効です。同じく動力を必要としない刃物にノコギリがありますが、ナタはその重みで細いものを切断できるため、前後に動かすなどの動作が必要なく、比較的低い労力で使うことが出来ます。竹林整備のほぼ必須アイテムと言ってもよいでしょう。

極端に安価なものでなければ、メーカー毎にそれほど性能の差はありません。整備に携わる人数分用意する必要があるので、高級なものを一点、というよりも標準程度の性能のものを大量に用意する方がよいでしょう。なお、利便性の観点からサヤのあるものを買い、常にベルトに挿しいつでも取り出せる状況であったほうが、作業効率は良いです。

  1. 柄鎌(ヒツ鉈)

山林の除伐、枝打ちなどに使用する道具である柄鎌(えがま)です。地域によってヒツ鉈などその他の呼ばれ方をすることがあります。カマのような形状をしており、ナタでは少し難しいような細い竹でも、遠心力を使ってノコギリよりも早く伐採できます。しかし、ある程度直径のある太い竹は伐採できません。竹稈を刈る以外の目的の作業(例えば、下草刈りのついでなど)なら、これ一本で大抵の作業には対応できるでしょう。

しかし、ナタあるいはノコギリと用途が重複するので、その竹林整備にはその両者を持ち歩くため基本的には必要ありません。また、上手く使いこなすにはそれなりの熟練が求められます。

  1. ノコギリ

説明は不要かと思いますが、前後(あるいは左右)に動かして使います。一本あれば、大型の竹も時間をかければ切り倒すことが出来るでしょう。竹林整備には必携です。ただし、竹は一本切り倒すだけでも相当体力を消耗しますし、また切り倒した後に玉切り(数メートルの長さに切断すること)をすることがほとんどです。大量の竹を切る場合には、動力を用いる工具を用いることを強くお勧めします。

ナタと同じく、安価過ぎるものを除けば特に拘りなく購入してよいものです。なお、これもナタと同じく常に腰に身に着け、いつでも取り出せるようにした方が作業効率は上がります。

なお、竹専用のノコギリというものも存在します。これは、「早く切れる」というものではなく、切り口がきれいになるという特徴を持つものが多いです。なので、竹細工などに用いるのでなければ、通常のノコギリを利用するのが無難でしょう。

なお、竹は普通の樹木よりも堅いため、ノコギリの刃がはやくすり減り、切れ味が落ちやすいです。そのため、買い替えの頻度が高くなります。そういう意味では、高級なものを使い続けるよりも、安価なものを頻繁に買い替えた方が経済的かつ効率的と言えるでしょう。

  1. レシプロソー

あまり聞き慣れませんが、レシプロソーという工具があります。端に装着したノコギリ刃の往復運動で、効率よく切断を進めることが出来る工具です。チェーンソーほどではないですが、これも動力を用いる工具ですので、効率的に作業ができます。チェーンソーと較べて比較的安価かつ取り回しも良く、また充電式のものもありますので竹林で活躍できる工具と言えるでしょう。しかし、木本の切断には少々パワーや大きさが不足する場面も目立ちます。汎用性を求めるなら、チェーンソーを購入すべきです。放置された竹林は木竹混交林であることが多いため、チェーンソーの出番も少なくないからです。また、スピードで言えばチェーンソーが勝ることが多いでしょう。

ノコギリと同じく、これも竹切断用のブレードがあります。ノコギリと異なるのは、切断面をきれいにするというよりは、刃を強靭にして、耐久性を高める狙いがある商品が多いことです。なお、その分通常のブレードよりも高価になります。

なお、動力式の刃物(レシプロソー、チェーンソー)を使う場合には、軍手やゴーグルを身に着けた方が安全性は高まります。動力式の刃物は手動のものよりも激しく動きますので、破片や刃が予期しない方向に飛んできたりもします。その対策として、軍手やゴーグルは身に着けた方が無難です。ゴーグルがなければ目全体を覆うサングラスなどでも、推奨はできませんが代用は可能です。

  1. チェーンソー(チェンソー)

最も素早く竹を切断できるのがチェーンソーです。ガソリン式や電動式のものが販売されていますが、用途に応じて購入するものを決定すればよいでしょう。一般的には、充電式の方が小型で取り回しがよいですがパワーには少し劣ります。

広い竹林を皆伐するのには、ほぼ必須のアイテムと言えます。他の道具にはない圧倒的なスピードで、しかも体力をあまり使うことなく竹を切断できます。一本の竹を処理するには、生えている竹を切るだけではなく、前述した通り玉切りというプロセスも必要です。都合4~5回稈を切断する必要があるため、チェーンソーを使う効果は絶大なものとなります。

これも、レシプロソーと同じく竹専用の刃があります。広大な竹林を整備する場合は、費用対効果を鑑みて竹専用の刃に取り換えておくのもよいでしょう。

【まとめ】

竹林整備の基本スタイルとして、ナタとノコギリは必須、労力を下げたければチェーンソーを使うといった方式が現在では一般的です。慣れてくれば、自分や状況にあった工具を取り揃えていけばよいですが、例えばボランティア団体などでは手動で動く工具を貸与して、利便性よりも危険性を除す方法を採用するべきでしょう。

【参考文献】
・竹の切断・伐採に使う工具(リンク)

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