みなさんこんにちは。日々竹・笹に関する情報発信を行っているBamboo Salonです。今回は「日本の竹笹園」についてご説明します。
【竹笹園とは】
「竹笹園」という言葉があるわけではなく、竹や笹を専ら扱っている植物園あるいはそれに準ずるものをここでは竹笹園としています。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、竹笹類は国内で100種類以上、全世界で1,000種類以上存在し、竹や笹だけで植物園を作ることは十分に可能な量です。実際、多くの竹笹園で竹・笹に絞った植栽をしており、多様な種類を鑑賞できます。
一方で、竹や笹は素人目には識別しづらい種類もあり、「一体何が違うのか」という感想を抱く人もいます。実際のところ玄人でも識別に困る種類も多く、その植栽されているすべてを識別することで楽しむことは難しいでしょう。しかし、例えばキッコウチクやキンメイチクなど、普通の竹とは異なるものは、知識がなくとも楽しめます。
(庭木図鑑ペディアより。左がキッコウチク、右がキンメイチク)
上記のような見た目に分かりやすいものは、実は同じ種でも形質の一部が異なっているために観賞用・工芸用として重宝され、それが残されたものに含まれるものもあります。例えば、モウソウチクという種の場合、上に挙げたようなキッコウチクをはじめとして、キンメイモウソウ・ブツメンチク・タテジマモウソウと名付けられたものがこれに相当します。
【竹笹園マップ】
上記のような竹や笹が鑑賞できるのが竹笹園ですが、その多くは以下のマップにて確認ができます。
(https://www.google.com/maps/d/u/2/viewer?mid=1YIQ3NrLI6opPfRxo–39nR6aZC8_XtIz&ll=36.95029731873844%2C135.86107994999998&z=5)
なお、マップは「植物園」「学術研究機関」「天然記念物等指定」「その他」に区分されています。また、Bamboo Salonでは他にも「こういった場所がある!」という情報をお待ちしています。
【鑑賞上の注意】
ところで、上記に述べたように竹や笹はその識別が非常に難しいです。「ネームプレートを見ればよいじゃないか」と思う人もいらっしゃると思いますが、ネームプレートがあったり、ネームプレートがあってもその植物がなかったりもします。
竹や笹はその特性として厳密に管理をしないと、地下茎が伸びて隣の区画に入ってしまったりすることが多々あります。この場合、複数種が混じる、また一方の種が競争に負けて消えることもあります。
その他にも、乾燥や栄養不足、開花による枯死とその伐採による回復不全などが枯れた竹が刈られてしまい、回復しないこともあります。
更に、種同定できる人がほとんどおらず(日本国内でも片手に数えるくらい)ため、一旦混沌としてしまったが最後、ネームプレートと実際の植物を対応させる形に戻すのが難しいのです。
そして、それを回復させようにも、竹笹園というのは他の植物園や博物館と同じく、なかなか厳しい予算の中でやりくりしているので、その計上が難しいという悩みもあります。それを解消するためにも、ぜひ一度足をお運びいただけますと幸いです。
【参考文献】
・庭木図鑑ペディア
(https://www.uekipedia.jp/%E3%82%BF%E3%82%B1-%E3%82%B5%E3%82%B5%E3%81%AE%E7%A8%AE%E9%A1%9E/%E3%82%AD%E3%83%83%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%83%81%E3%82%AF/)
(https://www.uekipedia.jp/%E3%82%BF%E3%82%B1-%E3%82%B5%E3%82%B5%E3%81%AE%E7%A8%AE%E9%A1%9E/%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%81%E3%82%AF/)