竹サロン開催記録

第5回竹サロン情報交換会

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情報交換会活動報告

第5回竹サロンを実施したのでその様子を報告します。

開催日時:2018年11月22日(木)17:00‐20:00
開催場所:京都大学 農学部総合館 S174教室

参加者:笹原(学舎・景観D1)、小林(慧)(農・地環・生態D1)、青塚(農・森林・環デM1)、孫(農・森林・環デD3)、正田(農・森林・環デD3)、中村(農・森林・熱帯林D2)、久米(九州大・福岡演習林)、小関(藪の傍)、柴田(京大・学舎)、山内(兵庫県大・緑環境M2) 計11名

話題提供
「淡路島における機械化による竹林管理の可能性」山内里佳(兵庫県大 緑環境景マネジメント研究科M2)

淡路島における放置竹林管理の1つとして機械化による竹林管理の省力化を目的とした「バンブーカッター」の紹介をして頂きました。バンブーカッター一台で竹を根元から伐り出し、適当な長さに分断すること等が可能です。また、根茎から処理が可能であるためにその後の新稈の回復率が低いという特徴があると考えられています。コストがかかることや、適切な伐倒時期の判別などの課題は挙げられますが、効率的な竹林管理のために意義のある挑戦であると期待をしています。

2「モウソウチク林の生産性は本当に大きいのか?台湾中部における5年間の計測に基づく検討」
久米朋宣(九州大)

台湾に生育するモウソウチクの生産量を調査したプロジェクトを紹介して頂きました。地上部現存量と地下部の現存量をそれぞれ4年間計測したデータを他の地域・樹木データと比較をしたところ、特に地上部現存量がCarbon sinkとして有用であると考察されていました。調査されていたモウソウチク林はプロジェクト開始の前年までは管理竹林であり、プロジェクト開始後から管理放棄をされるようになったとのことでした。今後、人による影響が資源生産にどの程度関与しているのかを考察するためにも、台湾の管理竹林の資源量と今回の調査で得られた資源量の比較などがあれば見てみたいと思いました。

「竹よもやま話」柴田昌三(京大)
前の2人の話を受けて、関連する近年の研究報告を既修了生の修論から紹介をして頂きました。モウソウチクの光合成に関する報告では、冬の間の少ない日照時間が光合成速度を律するという発見が発表されました。また、竹林管理の集材に関する報告では、これまでの研究からは機械化人間化の二択ではなく状況によって使い分けるべきであることが強調されました。また機会があれば柴田先生の研究の話も伺いたいと思いました。

報告
1「モウソウチク林調査近況」小林慧人(京大 森林生態D1)
今年行ってきた地下茎の観察報告を発表して頂きました。11月までに今年発生して長いものでは3mを超える成長を記録することが出来たとのことでした。また、地下茎の先端の伸長要因として、異なるシートを被せた観察から根冠が水環境を読み取っているとの可能性の考察に対して議論もなされました。今後も継続的な調査を期待しています。


2「新しい竹材利用をみて」笹原千佳(京大 景観生態D1)11月14日(水)~15日(木)に熊本で開催された全国竹の大会の報告をさせて頂きました。大会中に開催された竹材分科会では30代までの若い起業家らがデザインを活用して町おこしをしたり、竹で制作した芸術で新たな価値を創出している様子などを伺うことが出来ました。放置竹林問題が課題となり竹材の利用が重要だと謳われている中で、実際の竹材の価値と需要はどのようなものなのか今後も追っていく必要があると思います。

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20時半からは京大農学部付近にある中華料理屋龍門で懇親会も実施しました。
普段は異なる竹研究・環境に所属をしている仲間と交流を持つことが出来、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。

(文責:笹原)

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